法人税

法人税 は、法人の所得金額などを課税標準として課される税金、国税で、直接税、広義の所得税の一種。日本の法人税は主に法人税法(昭和40年法律第34号)に規定されているが、租税特別措置法や震災特例法などの特別法によって、修正を受ける。日本の法人税は、かつての高度経済成長時代における基幹税の役割を果たしていたが、近年の経済の低迷、国際的な租税競争のあおりを受けた税率の引き下げなどにより、次第にその地位を下げつつある。2006年現在では、国税の税収に占める割合は所得税に次ぎ、第2位である。ちなみに、一時の不況を脱した大企業はバブル期を上回る史上最高の収益を上げている。

税率が下がっただけではなく、2002年度から連結納税制度が導入され、グループ企業がまとめて法人税を納税できるようになり、これによって大企業が節税できるようになった。さらに、IT投資促進税制(IT投資減税、2005年度まで)、研究開発促進税制(研究開発減税)と二重三重の特例をつけることで、大企業から得られる莫大な税収を政府は失っている。率上げがしばしば議論される消費税と比較しても、「政府は企業に甘いのではないか」という意見も少なくない。この点、法人税引き下げを企む企業側は日本の法人税率の高さが生産の海外移転につながっていると主張するが、日本の法人税率は諸外国と比較しても高くはなく、雇用等を「人質」にとった姑息な情報操作といえる。国際的な法人税率引き下げ競争は、実質的な輸出補助金であると評価できる。そして輸出補助金はWTO上、原則違法であり報復関税の対象である。であるから国際的な税率引き下げ競争に対しては、WTOなどの国際社会における枠組みの中でかかる競争を制限することが筋であろう。しかし、政府にはそのような発想はないようである。

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